20210314—Nikkor-N.C Auto 35mm f1.4 の黄変検証
「検証」などと大きく出ましたが、写真を見比べてやっぱり黄色いね、というお話です。提灯記事にしたくないので先に言ってしまおう。
以前にもちらっと触れた、昨年秋に撮ったプロビア。本日ようやくスキャンしました。
xsumida.hatenablog.com
トラブルはありましたが、おおよそ満足できる仕上がりになってたところまで紹介した記憶。ポジだとごまかしが効かないぶん色が分かりやすいかなと思うので、Nikkor-N.C Auto 35mm f1.4 が黄変している話に繋げてしまいましょう。
Nikkor-N.C Auto 35mm f1.4 は1971年3月発売。この真っ黒なデザインからもわかるように、オートニッコールの最終盤にあたる時期。ニコンの民生用レンズとしては、初めてマルチコーティングされている、らしい。うん、確かに前玉はそれらしい色をしてる。
名誉あるマルチコーティングだが、この個体の銘板にある刻印は"Nikkor-N Auto ..."となっており、"C"が入れられたのは中盤以降からみたい。2万本足らずしかない上に人気(みんな手放さないだけ?)だから、あまり見比べる機会もないか。
絞り羽根は9枚。後半からは7枚に減るし、9枚絞りは特別感がありますね。NKJ、NikonのCなし、NikonのCありと3タイプあるようだ。ここを参考にすると、NKJは極端に数が少なく3千本足らず、後の2つは同じぐらいの数が世に出ている。
さてこのレンズ、トリウムを含んだ硝材を使用しているらしく、経年によりこのようにレンズが黄ばんできます。ファインダーで覗いて分かるレベルで黄色い。
当然のことながら写りにも影響してくるわけで。それでは見比べてみてください。
(ナイトモードなどは切った方が分かりやすいかと。)
ほとんど同じ場所で間隔を開けずに撮っているので、光の質は変わっていないはず。
35mmでは明らかに黄色くなっていることがわかります。
カラーではあまり使いたくないレンズといえそう。取り込んで補正掛ければ何とでもなるなどと言うと身も蓋もないですが、どうしてもという場合は仕方ないかも。
写りは大変いいですよ。重いのとシビアなピントに耐えられれば。絞りがちならF2やF2.8でもよくない?という思いはあっても買ってしまったのは、開放f1.4はそれだけ魅力的ということかな。
道具にも気を配りながら写真を撮る。デジタルの機材は一線級なら正直何でもいいと思っちゃうけど、アナログではそういう考えには至らないかなあ。
このフイルムの続きはまた今度。