珍しい列車を撮ることについて
今回は撮り鉄の話。
珍しい列車の写真を撮ることを趣味にしている人は、一定数いる。たまにしか走らない業務用の列車だったり、何かの事情で一度きり運行される特別な列車だったり。
私も追いかけまわしていた。ただ、撮っているうちにだんだんモヤモヤしてきたんだな。これは本当に写真と言えるのか?って。すごく縛られた条件下に従って、列車の写真を撮るコンテストをやっているような気がしちゃうんだ。
写真を撮ってTwitterとかに上げる。同じ趣味を持つ人から「いいね」が付く。嬉しい。あとから写真を見返してニヤニヤする。友達に自慢する。それはそれでいいと思う。楽しいし。
しかし同時に、その写真に自分なりの表現とか、解釈は入っているのか。ただ珍しいというだけで、その写真は成り立っていはしないか。そういうことを考えると、珍しい列車だけを追いかけることに、あまり意味を見出せなくなってくるのもまた事実なんだな。
別に臨時列車や業務ネタを撮るなと言っているのではない。私も何か走るなら撮りに行くだろう。
ただ、被写体の希少性だけに目を向けるというのは、写真としてどうなんだろうって思うわけ。それはただの記録写真ではないかと。自分が写し止めたことにこだわらないなら、誰かが撮った写真を後で見るだけでよくなってしまう。極端なことを言えば、その瞬間にその場所にいれば撮れる写真なのではないか?ってね。
単なる記録写真にとどまりがちな鉄道写真、それを芸術に昇華させられる人になりたいと思う。話が合う仲間と盛り上がるのは楽しいが、同時に、狭い世界だなとも思うのだ。