Xsumidaの日記

写真と旅行が好きな大学生のブログです。日々の出来事を綴っていきます。

ニコンFMを譲った話

このあいだ、ニコンFMを後輩に譲った。今回はそのお話。

 

ずっと一桁Fを使ってみたかった。ので、今年の夏頃だったか、手頃なF2黒アイレベルを見つけて購入した。

するとFMはサブとしての性格が強くなって、フィルムは入っているものの、あまり手に取ることがなくなってきた。

もとより、やりくりの関係から、FMとF2は入れ替えにするつもりだったし、今入ってるフィルムが終わったら売却するか、と思っていた。FMも人気が出てきた頃合いかもしれない、少し高めにしても売れるだろう。だが気がかりになることがあった。

 

実はこのFMと50mmをセットで購入したお店はもうない。激安と言っていい値段だったが、露出計含めちゃんと動いているし、私の酷使によく耐え、結果を残してくれた。手元に残しておけるものなら残したい、そんな気持ちが燻っていた。なんといっても、私が初めて買ったフィルム一眼だからね。

ほんとうはこのお店で、F一桁機にステップアップするつもりだったのだ。だがその夢も叶わなくなってしまった。その面でも、やりきれない思いが残っていた。

 

そんな矢先に、このカメラを買った店員さんと再会する機会に恵まれた。もうお会いすることはないと思っていたが、全くの偶然で再びお話しすることができた。

綺麗に使ってくれてありがとう、と。その方は私のFMを見てそんなことをおっしゃった。

こんなことを言われてしまってはもう売れない。売れないのだけど、売るしかない。じゃあ目の届くところに置いておけばいいじゃない、と閃いた。

お店で売却しても、ネットオークションで売却しても、愛機が誰の手元へ渡ったかはわからない。ちゃんと使ってもらえるかわからないし、もしかしたら転売屋の元に流れてしまったかもしれない、などと考えると寒気がする。

知り合いに(有償で)譲り、そのカメラの行く末を見届ける、これはとてもいい考えに思えた。

しかもFMは入門用にちょうどいいカメラだ。軽くて露出計も入ってる、問題なく使えてきたから動作は折り紙付きだ、安心して譲れる。

 

かくして、期待の新人があらわれた。彼はこれからフィルムカメラを始めてみたいのだと言う。

適当に50mmを付け、フィルムを入れて渡した。36枚撮ったら持ってきてと言って。彼は飲み込みが早い。1週間も経たずに撮り切ってきた。

現像からプリントまで全て教えた。デジタル写真とは違う手順に戸惑いながらも、彼は楽しそうだった。またひとり、アナログフォトグラファーを生み出せた。

彼とFMが紡ぐ写真に、限りない幸せがあらんことを。

 

 

30分ぐらいでパパッと書いたんだけど綺麗に起承転結でびっくりしたって話。なお書いてから推敲・公開まで3週間ぐらいかかってる模様。

写真付けてから公開しようと思ったけどお蔵入りしそうなのでもう出しちゃう。そのうち付けるかもしれんけど。なんとか生きてはいますよ。うん。

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