関東北部私鉄めぐり②
前回からの続き。①はこちらから。
関東鉄道と真岡鉄道に乗り、西進すべく水戸線・両毛線に乗ったところまで書きました。今回はその後の話。
フイルムをILFORD DELTA 400に詰め替え。良く晴れていたのでISO200に減感して使ったんですが、その後の夜の撮影を考えるとボックススピードで良かったかなと後悔中。
ID-11 1+3 22℃ 18:00で現像。
・14:02 小山→JR両毛線 高崎行→15:32 前橋
両毛線は駅間が長く線形も良いので評定速度は速いはず…なんですが、いかんせん移動距離が長いのでかなり時間を食います。
光がおいしい時間帯を浪費するのも避けたいですし、211系のロングシートで1時間半耐えるのも疲れますが、まあ仕方ないと。少し前までは115系が活躍していて、あのクロスシートならいくらでも乗ってられたのになあ。
この両毛線で前橋まで行っちゃいます。勘のいい方は気づいたかもしれませんが、上毛電気鉄道線に乗り継ぐなら、桐生で降りて少し歩き西桐生から乗ってしまえばいいので、前橋まで行く必要はないように思えます。
ただ、この後に乗りたいわたらせ渓谷鐵道との接続を考えると、桐生を起点に上毛電気鉄道を往復するのは非効率だ、という結論になりました。わ鐵の運行本数は少ないので、計画を練るときは大分苦労しましたね。
両毛線に乗ったまま桐生を過ぎて前橋まで行き、そこから上毛電気鉄道線に乗り、桐生方面に戻ってくるという寸法です。
15:32、前橋駅に到着。上毛電鉄の前橋駅は中央前橋駅という名前で、JRの前橋駅からは1km強離れた場所にあります。そして乗り継ぎ時間は13分。強行軍だなあ。
とりあえず走ります。カメラ2台持ってる上に運動不足なので肩で息をしながら中央前橋駅に到着。なんとか間に合ったようです。実はこの乗り換えダッシュ、もう一回やります。
よくよく写真を見ると、ホーム上屋の形が面白いですね。そこまで見てる暇なかった。
・15:45 中央前橋→上毛電気鉄道線 西桐生行→16:37 西桐生
説明が遅くなりましたが、上毛電気鉄道線は中央前橋駅と西桐生駅を結ぶ路線。路線の両端がJRとの接続駅ではないというのは珍しいかな。東武との結びつきが強いエリアというのもあるかもしれません。
ゼイゼイ言いながら切符を購入し、西桐生行きに乗り込みます。車両は元京王の3000系。たぶん。
ここも通勤・通学需要がメインみたいです。自転車持込OKで、何人か持ち込んでました。これも狙ってやったことですが、日没のタイミングをここの乗車時間に合わせてあるんです。平野部なので最後の最後まで低い太陽の光が差し込みます。うまく表現するウデがありませんが、車内が黄金色に染まり綺麗でした。
西桐生駅に着いたら高校生がたくさん。下校時刻と被ってたんでしょうか。しかも改築中?だったみたいで仮通路を通ることになりました。ここの駅舎はよく知られてますね。関東の駅百選にも選ばれてます。ぱっと見は敷石の交換をやってるように見えましたが、何やってたんだろう。
さて、ここからも走ります。これから乗るわ鐵はJR桐生駅から発車します(ホームを間借りしてます)が、西桐生駅はJR桐生駅からは少し離れてるんですね。駅舎の写真をゆっくり撮りたかったんですがそれも叶わず。工事中だったから諦めもつくね。
前橋ー中央前橋と違ってこちらは650mほどと近めですが、今度はさっきより短い8分乗り換えです。もう無茶。なんとかここでも間に合いました。これがわ鐵を往復できる最後の列車なので、乗り遅れたら諦めて帰るしかないです。まだ17時前なのに、恐るべしわ鐵。2時間後に終点間藤行きはありますが、これは桐生まで帰ってこないんですわ。
この時間に余裕のない行程を見越して、わたらせ渓谷鐵道のフリー切符は事前に購入しておきました。手数料は随分取られますが、東武トップツアーズなどの代理店で買えます。ただデザインが無味乾燥なものになってしまったので、わ鐵オリジナルデザインのものが欲しい場合は、現地で購入したほうがいいと思います。
・16:46 桐生→わたらせ渓谷鐵道線 間藤行→18:11 間藤
桐生駅の高架ホームを上がると、アイドリングして待ってました。
車両には「あかがねⅢ」のヘッドマークが。「あかがね」とは銅のことで、沿線にある足尾銅山との関連でしょうね。10円玉をイメージすると黒っぽいような気がしますが、そこまで酸化されてない銅は赤みを帯びてます。
ヘッドマークにもあしらわれているウサギのマークが側面にもあって、チョコレート色の車体にアクセントをつけています。外板はちょっとくたびれてますね。2両編成。わ89-313+わ89-314。
何も予備知識なしで乗りました。外装からして自社発注っぽいですよね。中は半分ロングシート、半分クロスシートとよくある形態ですが、なんだか見慣れない。
クロスシートの方に座りましたが、座り心地の良い座席で、往復3時間を快適に過ごせました。我々以外の乗客は高校生のみで、クロスシートの部分しか埋まらない(つまり1両当たり3、4組しかいない)状態で桐生を発車。当然下車する一方なので、どんどん人が減っていきます。ピークは1本前だったのかな。紅葉はもう終わってますし?
車窓は始終真っ暗なので暇です。終点間藤(まとう)の1駅前、足尾を最後に乗客は我々だけになりました。
18:11、間藤着。ここは県境をまたいで栃木県。
本当に真っ暗なので駅の付近から離れると危険です。折り返しも10分ですし、その間にホームでパチパチ写真を撮ります。山あいの駅なので本当に寒いです。しかし、寒さを感じないほど、暗闇の中にたたずむ2両の気動車は美しかったと言っておきましょう。
列車と駅舎から漏れる光だけが頼り。暗すぎてファインダーは使い物にならず、ずっとライブビューで撮ってました。
・18:21 間藤→わたらせ渓谷鐵道線 桐生行→19:37 相生
間藤から折り返します。特筆すべきこともなく時が過ぎて、19:37相生(あいおい)着。相生駅は、わたらせ渓谷鐵道線と東武桐生線の接続駅。
桐生まで戻ると東武線には乗れないのです。桐生周辺では4つの鉄道線が入り乱れているのに、それらが一堂に会するターミナル駅はありません。建設年代がずれていたり、仲違いしてたりしたんでしょうか。下の地図を見てもらえると、その無秩序さがわかるのではないかと。
相生駅の大きな跨線橋から乗ってきたわ鐵の列車を撮ります。数分停車ですが、停車中は消灯していて発車直前に点灯したので随分焦りました。何気にベストショットかも。
・20:00 相生→特急りょうもう52号 浅草行→ 21:55 浅草
東武特急りょうもうで一気に帰京します。上り最終のりょうもう。
わたらせ渓谷鐵道のダイヤは当然接続を考慮してますが、うまく行程をまとめられて良かった。200型も先が見えている?ので今のうちに乗っておきたかったし。乗るのは初めてです。始発の赤城(相生から1駅)から乗りたかったんですが、桐生線の本数が少なすぎて無理でした。
相生ではガラガラだったものの、途中でそこそこ乗ってきました。それでも6両編成なので空いてましたね。速度を出すのは羽生ぐらいからなのでそんなに早い印象はなく、乗り継ぎなしで帰れることに価値を見出す感じ。快適快適。
私鉄ばかり乗っているので結構費用は掛かりましたが、乗ったことのない私鉄に色々乗れて楽しかったですね。今回残した上信もいつか行きたいなと思いつつ。